かぜ・アレルギー・めまい
アレルギー反応によって起こるくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻の粘膜の炎症に悩まされている人は多くおられます。原因はさまざまです。アレルギー性鼻炎には主に「通年性」と「季節性」があり、後者の代表的なものに花粉症があります。空気が乾燥したり、温度差によってアレルギー症状が出ることもあります。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが三大症状で、発作的にくしゃみをしたり、さらさらした水のような鼻水が出たり、鼻づまりが繰り返し起こることが特徴です。
まず家の中のハウスダスト、ダニ、ペットの毛といった原因物質(アレルゲン)を除去します。そして、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤やステロイド剤など、必要に応じて投与します。
花粉によって起こるアレルギー反応で、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」が四大症状とされ、他に喘息発作や便秘、下痢などの消化器症状、頭痛などもみられます。スギ花粉によるものが有名で、これまで60種以上の植物で発症の報告があります。それぞれ時期が異なりますが、多くは毎年反復して花粉に触れた数分〜数時間で症状が出てきます。
対処としてはマスク、メガネ等を用いて花粉を避けるなど原因の除去が第一です。抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服が有効とされていますが、あまり即効性がないため、花粉が飛散する2週間前ぐらいからの服用が有効と言われています。即効性のあるものとして、ステロイド剤を使用する場合がありますが、副作用の懸念があるため、限定的な使用にとどめる場合もあります。
新しい治療法として、舌下免疫療法があります。アレルゲン免疫療法(減感作療法)の一種で、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させ、アレルギー反応を弱めていく治療法です。近年、治療薬を舌の下に投与する方法で、自宅で服用できるようになりました。現在、スギとダニの2種類があり、唯一の根本治療法です。主な副作用は、口の中の腫れ・かゆみや唇の腫れ、のどの不快感ですが、まれにアナフィラキシーをおこすことがあります。注意点としては、
ということです。いずれにせよ、根気のいる治療法です。
鼻の周囲の骨には4つの空洞(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)があり、これらは副鼻腔と呼ばれ、鼻腔と小さな穴でつながっています。これらの副鼻腔に細菌やウイルスなどが感染して起こる急性の炎症を急性副鼻腔炎といいます。風邪に引き続いて細菌感染が副鼻腔に起こり発症します。
鼻汁、鼻づまり、頭痛や顔面痛など、風邪症状が先行し、続いて膿性の悪臭を伴う鼻汁がみられます。一般に片側にだけ発症します。発熱することもありますが、軽微な場合が多いです。
鼻内の鼻汁を吸引して取り除き、鼻腔と副鼻腔の通りを良くし、ネブライザー吸入、抗菌薬などを内服します。
一般に急性副鼻腔炎が治らずに長引いたり、繰り返したりすることによって3か月以上症状が続いているもので「蓄膿症」とも呼ばれています。
黄緑色の粘性鼻汁が絶えず出てきて、よく鼻をかむ、鼻が常に詰まっていて口で呼吸する、いびきをかくなどの症状が持続します。また頭痛や嗅覚低下も一般的に起こります。
鼻・副鼻腔に溜まった鼻汁をきれいに取っていきます。また、「マクロライド系抗菌薬の少量長期投与」という、マクロライド系抗菌薬を少量ずつ、3か月程度服用する方法で効果のある場合が多いです。
鼻出血のほとんどが鼻中隔の入口付近にある「キーゼルバッハ部位」からの出血で起こります。この場所は、毛細血管が集まっている場所です。鼻の粘膜は1回切れるとなかなかきれいに治らないので、しばらくは何度も出血を繰り返す人もいます。まれに白血病や血が止まりにくい血友病が原因の場合もありますので、注意が必要です。
出血があれば、小鼻のふくらんだ場所にティッシュか綿花を入れてからしっかり両サイドから押さえてください。首の後ろを叩いたり、首をそらしたりしても血は止まりません。また血が止まったと思っても、30分程度は鼻をかんだり、不用意に触ったりしないようにしましょう。